この本は、Borsuk-Ulamの定理が組合せ論の中でどのように活躍するかを紹介してくれています。 ハム・サンドイッチの定理、クネーザーグラフの彩色数、Z2写像や埋め込みの話等への応用、等、 発展的なトピックも合わせて分かりやすく解説しています。 単体的複体の基礎的な話から始まるので、トポロジー的組合せ論の入門書としてよい本と思います。
Contents:
1. Simplicial Complexes
2. The Borsuk-Ulam Theorem
3. Direct Applications of Borsuk-Ulam
4. A Topological Interlude
5. Z2-Maps and Nonembeddability
6. Multiple Points of Coincidence
幾何学的な設定のある組合せ論、離散幾何学のトピックを紹介する書。 幅広いトピックが扱われ、ボリュームもかなりありますが、内容は簡潔に分かりやすく、しかし詳しく、書かれていて、 非常によい本です。
(以前にこの本について数学セミナー誌に書いた書評の原稿)
離散数学全般に渡る入門書。 いろいろな話題を幅広く扱っていて、また、読みやすい本なので、 担当している離散数学の授業や卒業研究の学生に入門書として薦めています。
目次
(上)
第1章 基礎的な準備
第2章 組合せ的数え上げ
第3章 グラフ理論入門
第4章 木
第5章 グラフを平面に描く
(下)
第6章 2通りに数える
第7章 全域木の総数
第8章 有限射影平面
第9章 確率と確率的証明
第10章 母関数
第11章 線形代数の応用
グラフ理論の教科書。 しっかりとした内容で、高度な内容のところまで書かれています。 グラフ理論の和書としては随一と思います。 グラフ理論をしっかり学びたい場合はとてもお薦め。 少し難しいと思った場合は、他の入門書でグラフの概念に慣れてから読むとよいかもしれません。
目次
第1章 基本用語
第2章 マッチング
第3章 連結度
第4章 平面的グラフ
第5章 彩色
第6章 流れ
第7章 密なグラフの部分構造
第8章 疎なグラフの部分構造
第9章 ラムゼー理論
第10章 ハミルトン閉路
第11章 ランダム・グラフ
第12章 樹状分解とマイナー
この本は、離散数学の幅広いいろいろなトピックにおいて、最先端で活躍されている国内の研究者が それぞれその研究トピックについて紹介する、という形の本です。 離散数学の世界でどのようなトピックが扱われて、どのようなことが研究されているか、ということを 覗き見ることができます。 こういう感じの本が定期的に出版されるといいと思います。
(以前にこの本について数学セミナー誌に書いた書評の原稿)
組合せ論、離散幾何学を中心として、いろいろなトピックの中で線形代数が応用される様子を紹介する、というコンセプト の本です。タイトルにある通り、33個のトピックが紹介されています。 それぞれとても面白いのですが、各トピック数ページでコンパクトに分かりやすく書かれていてとても読みやすく、 とても楽しく読み進めます。
目次: ミニチュア1 フィボナッチ数 / ミニチュア2 フィボナッチ数の公式 / ミニチュア3 オッドタウンのクラブ / ミニチュア4 同じサイズの交わり / ミニチュア5 誤り訂正符号 / ミニチュア6 奇数距離 / ミニチュア7 ユークリッド距離でその配置を実現できるか?/ ミニチュア8 完全二部グラフを詰め込む / ミニチュア9 等角直線 / ミニチュア10 三角形はどこ? / ミニチュア11 行列の掛け算を検算する / ミニチュア12 長方形を正方形でタイル張り / ミニチュア13 3個のペテルセンでは足りない / ミニチュア14 もしかしたら57 / ミニチュア15 距離は二種類だけ / ミニチュア16 一点ぬいた立方体を覆う / ミニチュア17 中央値の交差は避け難し / ミニチュア18 直径を縮めることの難しさについて / ミニチュア19 小銭の行方 / ミニチュア20 広場を散歩する / ミニチュア21 全域木を数える / ミニチュア22 何通りの方法で人は盤をタイル張りできるのだろうか? / ミニチュア23 もっと煉瓦を―もっと壁を? / ミニチュア24 完全マッチングと行列式 / ミニチュア25 有限体上で梯子をひっくり返す / ミニチュア26 合成を数える / ミニチュア27 それは結合律をみたすか? / ミニチュア28 スパイと傘 / ミニチュア29 合併のシャノン容量:二体物語 / ミニチュア30 等距離集合 / ミニチュア31 固有値を使って楽に切る / ミニチュア32 立方体を回転させる / ミニチュア33 集合対と外積
(以前にこの本について数学会の冊子に書いた書評の原稿)