スペルナーの定理

スペルナーの定理

台集合のサイズがmである単体的複体において、サイズがiの要素の個数をFiとすると、

Fi-1 ≧ (i/(m−i+1))・Fi

が成り立つ。

この定理の証明は簡単である。

に含まれる集合の部分集合はすべてに含まれることから、

ということが分かり、また、 ということも分かる。

ここで、包含関係のあるようなサイズiの集合とサイズi−1の集合の組の個数をxとすると、

が得られるので、xを消去すると、

i・Fi≦(m−i+1)Fi-1

すなわち、Fi-1 ≧ (i/(m−i+i))・Fiという不等式が得られることになる。
(証明終り)

注: このように、ある性質を満たす集合族(この場合は単体的複体である、つまり、部分集合に閉じている集合族)に対して、限界ぎりぎりの状況ではどのようなことが起こっているか?(この場合は、Fi-1をどこまで下げられるか?)というような議論は、「極値集合論」(extremal set theory)と呼ばれる分野で行なわれている。離散数学・組合せ論の重要な分野の一つである。


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