組合せ数学セミナー
発表内容の概要


6/17(金):呉屋秀樹 (九州大学数理学府)
多重ベルヌーイ数とロンサム行列の関係およびその数え上げの一般化について

 多重ベルヌーイ数は1997年に金子昌信氏によって導入された,通常のベルヌー
イ数を拡張した数論的対象であり,ロンサム(lonesum)行列とは,行和ベクトル
と列和ベクトルによって一意的に復元できる$(0,1)$行列のことである.両者は
一見すると関係がなさそうな数学的対象であるが,2005年にChad Brewbaker氏に
よって,ロンサム行列を数え上げた総和が多重ベルヌーイ数で表されることが発
見された.その後,Hyun Kwang Kim氏らによって成分を$(0,1)$から
$(0,1,\cdots,q)$に一般化したロンサム行列の数え上げがなされた.
 今回の発表では金子氏による多重ベルヌーイ数の定義と性質について説明した
後,Brewbaker氏,Kim氏らの結果について紹介する.その中で,数え上げの際に
重要になる定理について,組み合わせ的な別証明を与えることができたのでそれ
についても紹介する.

7/1(金): 東谷章弘 (大阪大学大学院情報科学研究科情報基礎数学専攻)
Hermite normal form と Ehrhart 多項式

以前のセミナーで、正規化体積が3以下のEhrhart多項式の分類について紹介したが、
今回は正規化体積が4の場合の分類について紹介する。
unimodular 同値で割った整単体の同値類を Hermite normal form で
同一視することで、整単体全体のEhrhart多項式を考えることが可能になる。
本講演では、unimodular 行列とHermite normal formおよび
そのEhrhart多項式との関係について紹介する。

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