平面上に2つの有限点集合が与えられたとき,そのミンコフスキー 和に含まれる凸独立集合がどれだけ大きくなれるか考察する.
講演概要: 生態学における食物網は, そこに現れる種(動植物など)を頂点で表し, ある種Xが別の種Yを捕食する関係にある場合にはXからYへの有向辺を引くことによっ て, 有向グラフで表現することができる. この講演では, 非巡回食物網に対し, 種の 競争関係を表す無向グラフ(食物網の競争グラフと呼ばれる)を定義する. 一方, ど んな無向グラフも, 十分多くの孤立点を加えることによって, ある非巡回食物網の競 争グラフになることが知られている. ここでは, 与えられた無向グラフにどれくらい の数の孤立点を加えれば, ある食物網の競争グラフになるか?, その加える孤立点の 個数の最小値(無向グラフの競争数と呼ばれる)に注目し, このグラフ不変量に関す る結果をいくつか紹介する.
整(格子)凸多面体のEhrhart多項式とは、 整凸多面体をn倍に膨らませたものの格子点の個数のことである。 Ehrhart多項式は凸多面体の組合せ論においてもっとも興味深い分野の1つである。 本講演では、このEhrhart 多項式からくるδ列の特徴付けをするとともに、 δ列に関するいくつかの結果を紹介する。
多元分割表とは, 複数個の添え字を持つ実ベクトルであり, 階層モデルとは, ベクトルの添え字への依存性が階層構造を持つような部分ベクトル空間である. これらは主に統計学において用いられる用語である. 本講演では, 階層モデルを 不変に保つような添え字の置換 (setwise stabilizer) について考察する. 本研究は, 青木敏先生(鹿児島大学), 竹村彰通先生(東京大学)との共同研究である.
正規分布に従うベクトルの分散共分散行列が従う確率分布は, Wishart分布と呼 ばれ, よく研究されている. この分布のモーメントと呼ばれる統計量は, マッチ ングの重みつき母関数を用いた表示を持つが, その母関数はdeterminantや Hafinanの$\alpha$-analogueと思えるものであることを紹介したい. この研究は栗木哲氏(統計数理研究所) との共同研究に基づく.
集合 X 上の周期 N の数列の,連続する k 項の集合がすべて異なり,最小距離 d の符号をなすとき,この数列を``X 上の(N,k,d) 誤り訂正符号系列''といいます。 誤り訂正符号系列は,通信の同期をとるときなどに利用できます。 有限体GF(p)上の最良の誤り訂正符号系列の存在条件は, 係数列が一定の条件をみたす原始既約多項式の存在条件と等しくなります。 本講演ではこれらの定義と存在条件についての研究を紹介します。
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