組合せ数学セミナー
発表内容の概要


5/9(金): 柏原賢二 (東大・広域システム)
 2次元閉曲面上の四角形分割の積み木性

1x1x1の立方体の積み木をきちんと張り合わせて、3次元の球体を作ると、
その表面には1x1の四角形による四角形分割ができる。2次元の球面の四角
形分割のうち、このようなものはよい性質を持っていると考えられる。この研究
では、2次元閉曲面の四角形分割に対して、帯の彩色、面の彩色、(超)立方体へ
の写像を考えることにより、3種類の「積み木性」を定義し、球面上の四角形分割に
対しては、それらが同値であることを示した。

なお、この研究は東京大学教養学部の佐久間雅氏との共同研究である。


5/23(金): 八森正泰 (筑波大・社工)
凸幾何の根付サーキットについて

アフィン空間中の点配置から生じる凸幾何(アンチマトロイド)
の根付サーキットについて議論し,いくつかの性質を紹介する.
特に,根付サーキットの議論において有用と思われる幾何学的
方法の紹介に重点をおき,余裕があれば有向マトロイドへの拡
張についても話をすすめたい.


6/6(金): 梅澤正史(筑波大・社工)
「ネットワーク上の協力ゲームにおける費用分担問題」

何種類かのサービスを提供する複数のサプライヤー
とそれらの需要者である何人かのカスタマーを結ぶ
ネットワークをどのように構成すれば費用を最小化
できるか、またそのときの総費用をどのように分担
すれば当事者全員の合意を得られるか、という問題
を考える。この費用分担問題の、特性関数型N人協
力ゲームによるモデルを考える。特に、そのゲーム
のコア存在問題に重点をおいて話を進める。


6/20(金): 伊藤雅史(東京理科大・工・経営工学)
「edge ideal の諸性質について」

edge ideal は clutter の枝集合によって定められる単項式
イデアルである.このイデアルのもつ特殊性,特に素因子
の性質や standard pair 分解との関連性について論じる.
さらに,その自由分解を記述する組み合わせ的な方法に
ついても説明する.


7/11(金): 鈴鹿順美(筑波大・システム情報工学)
「スポーツのスケジューリング -- リーグ戦の対戦組合せとホームアウェイ付け可能性について --」

リーグ戦形式で行われる各種スポーツ競技のスケジュールとは,各試合
開催日に対する「対戦組合せ」と「開催地」の割当てから成る.シーズ
ンを通してのスケジュールを決定する問題を,リーグ戦スケジューリン
グ問題と呼ぶ.
スケジュールを構成する対戦組合せが持つ構造を調べるために,ホーム
アウェイ付け問題という判定問題を定義し,特に各対戦の開催期と開催
間隔から,対戦組合せの特徴付けを行う.

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