変数と呼ばれる自由度のある頂点をもつ無向全張木G1に対して、 無向全張木G2の代入方法を列挙するアルゴリズムについて考える. 変数と呼ばれる頂点には、部分グラフを代入することができ, 何も代入されない(辺のみを代入する)事が許されるものとする. ただし,G1の端点とG2の端点は対応し,G1中の変数を含まない 部分グラフは,G2中の部分グラフと重なるようにする. 本発表は、列挙アルゴリズム構築の経過報告である.
M凸関数は, 整数格子点上で定義された関数のクラスとして, 1996年に室田により提案された概念であり, 離散凸解析において中心的な役割を担っている. M凸劣モジュラ流問題は,効率良く解くことができる組合せ最適化問題の 最も一般的な枠組みの一つであり, その特殊ケースとして最小費用流問題や劣モジュラ流問題を含む. 本発表では, M凸劣モジュラ流問題を解くアルゴリズムを紹介する.
整数計画問題に対して,近年 Gr{\"o}bner 基底や standard pair を用いた計算 代数的手法が研究されている.これらの手法と既存の組合せ的手法の橋渡しを行 うことにより,双方の手法の理解が高まり,新たな構造解析手法やアルゴリズム の構築が期待される. 本発表ではまず,standard pair を用いて ・行列が単模のときの,双対実行可能基底の数の最大値 を体積の形で与え,それを用いて, ・(トーナメントグラフ上の)最小費用流問題 ・(トーナメントグラフ上の)最小費用流問題の双対問題 ・輸送問題 (Klee-Witzgall 1968 の別証) ・輸送問題の双対問題 (Balinski-Russakoff 1984 の別証) ・2x...x2x2xN 型多次元輸送問題 ・2x...x2xMxN 型多次元輸送問題の双対問題 の実行可能基底の数について,時間の許す限り考察する.